
2016年8月20日、リオオリンピックの男子400メートルリレーで日本チームが銀メダルを獲得しました。
男子400mリレーでのメダル獲得は2008年の北京オリンピック以来で2大会ぶりです。
今回、男子400mリレーはメダル獲得が有力視されていました。
実際に日本チームは予選でアジア新記録となる37秒82をマークして、全体2位で決勝に進出していました。
では、日本代表チームがメダル獲れるとみられていた理由はどこにあるのでしょうか?
気になるところを調べてみました。
男子400mリレー決勝の結果・記録
男子400mリレーの結果と記録はこのようになりました。
第1位 ジャマイカ(37.27秒)
アサファ・パウエル~ヨハン・ブレーク~ニケル・アシュミード~ウサイン・ボルト
第2位 日本(37.60秒)
山県亮太~飯塚翔太~桐生祥秀~ケンブリッジ飛鳥
第3位 カナダ(37.64秒)
アキーム・ハーネス~アーロン・ブラウン~ブレンドン・ロドニー~アンドレ・デグラッセ
第4位 中国(37.90秒)
湯星強~謝震業~蘇炳添~張培萌
第5位 英国(37.98秒)
リチャード・キルティ~ハリー・A・アリエッティ~ジェームス・エリントン~アダム・ジェミリ
第6位 ブラジル(38.41秒)
リカルド・デ・ソーザ~ビター・ヒューゴ・ドス・サントス~ブルーノ・デバロス~ジョージ・バイデス
失格 トリニダード・トバゴ
キーストン・ブレドマン~ロンデル・ソリーリョ~エマニュエル・カレンダー~リチャード・トンプソン
失格 米国
マイク・ロジャース~ジャスティン・ガトリン~タイソン・ゲイ~トレイボン・ブロメル
日本は第1位のジャマイカに0.33秒にせまる好タイムで銀メダルを獲得しています。
バトンパスが進化!
日本チームがリレーで勝つために行ってきたことは「バトンパス」です。
バトンを渡す方法として上から渡す「オーバーハンドパス」と下から渡す「アンダーハンドパス」の2つがあります。
これまで日本は「アンダーハンドパス」でバトンをつないできました。
「アンダーハンドパス」のメリットは手のひらを上に向けて受け取る「オーバーハンドパス」に比べて、手のひらを下に向けたまま受け取ることで手の振りが阻害されないため、よりスムーズな加速が可能なところです。
日本はこの「アンダーハンドパス」でアジア記録を持っていました。
しかし、2014年のアジア大会で中国がアジア記録を更新。
日本は負けた理由をとことん研究。
理由を分析した結果、「バトンの受け渡し」が日本よりも早いことがわかり、これまでは個人のスキルだけに頼ってきたリレーのあり方を見直すことにしました。
これまでの「アンダーハンドパス」をより時間短縮するため、走者同士が受け渡しの腕を伸ばして距離を稼げる渡し方に改良。
これにより約50センチも距離を稼ぐことに成功しました。
この他、バトン受け渡し区間である「テイクオーバーゾーン」でどれだけの秒数でどの位置でバトンを渡せば一番良い結果になるかを分析。
選手は何度も何度も練習を重ねてノルマクリアとなるレベルまで技術を習得しました。
この結果、強化合宿ではメンバーを入れ替えても同じような記録が出るようになったそうです。
このようして世界と戦える武器を磨き上げたことで、日本代表チームは本番の大舞台で見事に銀メダルに輝く走りをすることができたのです。
今回、2014年に中国に塗り替えられたアジア記録も見事更新!
銀メダルに併せて、アジアナンバー1の座も奪還しています。
まとめ
今回は、リオオリンピック陸上男子400mリレーの銀メダル獲得に隠された「バトンパス」の技術について調べてみました。
体格的に劣る日本は個人では敵わない部分もあると思いますが、チームプレーとなると技術力によって差を埋めることができます。
今回は正に世界と戦えるレベルまで技術力を高めたことがメダルを獲得できた理由だと言えます。
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