
皆さんがお住まいの地域でスーツや礼服などを買う時は、どちらに行きますか?
百貨店や大手ショッピングモールなどでも購入出来ますが、やはり紳士服小売り店に行くことが多いと思います。
では、ここで1つ想像してみて下さい。
「1番近くにある紳士服小売り店はどこでしょうか?」
思い浮かびましたか?
そこで質問です。
思い浮かんだ店舗の近くに同じような紳士服小売り店ありませんか?
あったと思います。多ければ2〜3店が軒を連ねているのではないでしょうか。
なぜ紳士服小売り店は近くに建てるのか?なぜ潰れないのか?
気になったところを調査していきます。
並んでるのはどこの企業?
紳士服小売り店といえばどの企業を思い浮かべますか?
一昔前は20を超える紳士服小売り店が競合していましたが、現在では、社会情勢や景気変動などを乗り越えた「4強」と言われる企業が紳士服業界の全体的シェアを占めています。
「紳士服小売り店の4強」
1位 「青山」
売上1,796億 営業利益154億(スーツ・カンパニーを含む)
2位 「AOKI」
売上1,121億円 営業利益116億円(オリヒカを含む)
3位 「コナカ」
売上670億円 営業利益21億円(Perfect Suit Factoryを含む)
4位 「はるやま」
売上504億円 営業利益15億円(スーツ・セレクトを含む)
(四季報:2015年3月現在 紳士服小売りのみ)
「青山」の独走に「AOKI」が追従し、離れて「コナカ」「はるやま」が続いている状態です。
この「4強」が大きな幹線道路沿いや高速道路の出口などの交差点付近に道路を挟んで並んでいる光景は全国の至る所で見られます。
なぜ近くに建っている?
では、気になる「なぜ近くに建っているのか?」について説明します。
これには2つの理由が考えられます。
1. ロードサイド戦略
様々な業種にはそれぞれに適した「販売方法」があります。
例えば、飲食店やアミューズメント関係では広い店舗面積と駐車場を確保することでお客さんに居場所を提供し物や体験を売るやり方が最も効率的と言えます。
紳士服の小売り店の場合、圧倒的な品揃えと低価格を武器にした薄利多売タイプの販売方法が利益率が高く業界の主流になっています。
なぜかというと、アパレル業界の粗利益率は全体では30%~50%が一般的なところ、紳士服小売り店では60%程度と高く、費用対効果に非常に強みがあるからなんです。
これら紳士服小売り店を効率的に運営する場合のポイントは、物流に有利な道路に面していることです。
生産から販売までの無駄を省いて商品コストに還元することで、より低価格での販売ができるからです。
このことから高速道路のインター付近や空港・港湾付近など、土地代が安く交通の便がよい立地に店舗が集中することになるのです。
お近くの店舗もこの様な立地じゃないでしょうか?
似た業種として書店、レンタル店、スポーツ用品店、酒販店などがあります。
先輩〜!「誰かっ!」じゃなくて「いらっしゃいませ」ですよ〜!
2. ドミナント戦略
経営戦略の1つに「ドミナント効果」という、自社関連企業を一箇所に集中させることで効率化とコストダウンを狙う戦略があります。
ドミナントとは「集中」「支配」などの意味です。
この「ドミナント効果」を発揮するために並んで建っているのです。
しかし「4強」は全てバラバラの企業で、グループによるつながりはありません。
では、どこに「ドミナント効果」が使われているのか?
それは「お客様目線」で見た時に分かります。
紳士服を選ぶ場合、それなりに値段が張る物なのに事前にリサーチしてくる人はほとんどいないと思います。
それならお店で商品を選ぶ時の基準はどうするか?
それは「比較」です。
お店の商品をひと通り見て回って商品の種類・デザイン・色・価格などを見比べて決める事がほとんどです。
ここで出てくるのが「ドミナント効果」です。
近くに店舗が集中していることで、1店舗だけでなく他の店舗の商品と比べることで独自の「相場感」ができ、より自分に合った商品を選ぶ事が出来るようになります。
これは企業にとっても「集客力」の高まる相乗効果のメリットがあると言えます。
また、ライバル店をリサーチしやすいので、良いところを「パクる」ことで新たな戦略を練るきっかけになるのです。
各企業の店舗が集まるのは、この様なメリットがあるからなんですね。
俺はイソギンチャクとクマノミかと思ったっス!
まとめ
紳士服小売り店の「4強」は、同業者同士で競い合う事でともに成長しています。
この各社の成長が、結果的として紳士服小売り業全体の成長につながっているのです。
今回の「なぜ紳士服小売り店は近くにあるのか?」という疑問の答えは、
“お互いに「ライバル」であり「仲間」だから”
という事でした。
更なる企業努力でもっとお手頃なスーツが増える事を期待します。




















この記事へのコメントはありません。